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Sidekick Lab
by Ichiro Murata

Labカラーモードを使ったPhotoshopレタッチ入門L・a・bチャンネルの活かし方

PhotoshopのLabカラーモード(明度L・a・bチャンネル)を使ったレタッチ手法を解説。肌の赤み補正、空や海の色強調、モノクロ変換まで、RGBとは違うアプローチを紹介します。

村田一朗|写真家・SideKick開発者

PhotoshopのLabカラーモードは、明度(L)と色(a・b)を完全に分離して扱えるという、RGBにはない特徴を持っています。この分離があるおかげで、「色は変えずに明るさだけ調整する」「明るさは変えずに特定の色だけ強調する」といった、RGBでは難しい調整が可能になります。

Labの3チャンネルが担うもの

  • Lチャンネル(明度):明るさとコントラストのみに影響。色情報に触れずにトーン操作ができる
  • aチャンネル(緑⇔赤):緑〜赤の色相に関係。肌の色補正や紅葉の彩度調整に有効
  • bチャンネル(青⇔黄):青〜黄の色相に関係。空や海、夕焼けの色強調に使いやすい

チャンネル別の使い方

Lチャンネル:明度だけを操作する

  • Lチャンネルだけにシャープネスをかけると、色ずれを起こさずディテールを強調できる
  • カラー情報の影響を受けないため、質の高いモノクロ変換のベースとしても使える
  • 明暗の差だけで選択範囲(マスク)を作りやすい

aチャンネル:肌・紅葉など赤み系の調整

  • トーンカーブでa成分を下げると、肌の赤みを抑えて自然な肌色に近づけられる
  • 逆にa成分のコントラストを強めると、紅葉や花など赤・ピンク系の色を際立たせられる

bチャンネル:空・海・ホワイトバランス

  • bチャンネルで青を強めると、深みのある空や海の色に仕上げられる
  • 全体が黄ばんで見える写真は、bチャンネルを調整するとホワイトバランス補正のような効果が得られる

実践的なテクニック

Labカラーブースト(自然な彩度アップ)

Labに変換し、a・bチャンネルそれぞれのトーンカーブをS字にすると、RGBで彩度を上げるよりも色の破綻が起きにくい、自然な彩度アップができます。

色と明るさを分離した補正

RGBでは色と明るさが同時に動いてしまいますが、Labなら「Lで露出を調整し、a・bで彩度だけを上げる」といった分離した補正が可能です。

Lチャンネルでのマスク作成

Lチャンネルは明暗の差がはっきり出るため、コントラストや色補正の範囲を指定するマスクの元として扱いやすいです。

ジャンル別の活用ポイント

写真ジャンル 活用ポイント
ポートレート aチャンネルで肌の赤み補正、Lチャンネルで明度だけのシャープ処理
風景 bチャンネルで空の色強調、aチャンネルで紅葉強調
モノクロ Lチャンネルベースの高品質な変換
抽象・ICM a・bチャンネルのS字ブーストで、非現実的で鮮やかな色調表現

補正の強さをどれくらい変える必要があるかは、ジャンルによって差があります。ポートレートは肌の個人差(照明の色温度、血色、メイクの有無)で変わりやすく、抽象・ICM系は元画像の彩度や動きの強さで大きく変わります。風景は季節・時間帯(紅葉の赤、朝焼け・夕焼けの色)で調整方向が変わる、という具合です。

使う上での注意点

  • 非破壊編集がやや難しい:Lab上での調整レイヤーはRGBほど互換性が高くないため、作業手順を決めておくと安心です
  • sRGBに戻すと見た目が変わる:Labでの調整後、RGB(sRGB)に戻す際に色味が変化することがあるため、書き出し前に必ず確認しましょう

まとめ

Labカラーモードは、「明るさ」と「色」を切り離して扱えることが最大の武器です。肌の赤み補正、空や海の色強調、モノクロ変換のベースなど、RGBだけでは手が届きにくい調整に強みがあります。まずはLチャンネルでの明度分離マスクから試すと、効果を実感しやすいはずです。

このような色と明るさを切り分けた繊細な判断は、写真ごとに条件が変わるため、実は自動化が難しい部分でもあります。SideKickポートレートは、必要に応じてLabモードを使った処理もしています。 無料体験版もありますから、試してみてください。